2013年4月25日木曜日

『科警研とハワイ大との合同による「性表現と性犯罪の因果関係に明確な根拠は無い」とした調査結果』のソース

『科警研とハワイ大との合同による「性表現と性犯罪の因果関係に明確な根拠は無い」とした調査結果』のソースについて、調べました。

ソースは、ハワイ大学のページにありました。
http://www.hawaii.edu/PCSS/biblio/articles/1961to1999/1999-pornography-rape-sex-crimes-japan.html

念のため、魚拓も取ってあります。
http://megalodon.jp/2013-0425-2250-39/www.hawaii.edu/PCSS/biblio/articles/1961to1999/1999-pornography-rape-sex-crimes-japan.html

http://web.archive.org/web/20130418060437/http://www.hawaii.edu/PCSS/biblio/articles/1961to1999/1999-pornography-rape-sex-crimes-japan.html


ハワイ大学のページをGoogle翻訳などでURLを指定すると、日本語に訳して読めるはずです。


性表現と性犯罪の因果関係に根拠はないに相当する発言は、おそらく「考察(DISCUSSION)」の下記の部分でしょう。

Most significantly, despite the wide increase in availability of pornography to children, not only was there a decrease in sex crimes with juveniles as victims but the number of juvenile offenders also decreased significantly.

私は英語力は弱いですが、単語を調べて日本語に訳したら、下記のような感じになりました。

Most significantly - 特に重要なのは
despite the wide increase in availability of pornography to children - 子どもがポルノを広く入手しやすくなったにもかかわらず
not only was there a decrease in sex crimes with juveniles as victims but the number - 子どもの性被害者数が減少しただけでなく
juvenile offenders also decreased significantly - 少年犯罪者も同様に大きく減少

ポルノが普及したけど、性被害者数も犯罪者数も減少したということ。つまり、少なくとも因果関係はないということが、このページに書いてあります。



追伸

奥村弁護士のページに、さらに掲載されています。
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20130608#1370575402

2013年4月23日火曜日

性に関する『成人向け図書類等』は『実用書』であり、必要な人に販売・閲覧する『権利』があるのではないか

性に関する図書類等に対する法律の規制として、刑法第175条にわいせつ物頒布に関する条文がある。( 刑法→http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html )
内容は、わいせつな図書類等を頒布・販売したら罰するという内容だ。

わいせつの定義は、昭和32年のチャタレー事件の最高裁判決を元にしている。( チャタレー事件→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%BF%E3%83%AC%E3%83%BC%E4%BA%8B%E4%BB%B6 )

わいせつの三要素を引用する。

  1. 徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、
  2. 且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し
  3. 善良な性的道義観念に反するものをいう

個人的に要約すると「性的興奮・刺激のあるもの」「一般的な人の性的な羞恥心を刺激し害すること」「善良な性道徳に反する内容」になると思う。
でも、これらって成人向け図書類のほとんどにあてはまるもの。それに、これらのわいせつの基準は、主観的で人によって判断が分かれる。

しかも、これらの判断は昭和32年だから、とても古い判例だ。さらに遡ると最高裁判所昭和26年5月10日第一小法廷判決を踏襲したものだから、現代みたいにポルノが普及する遙か以前の古い価値観の定義と言えるだろう。

成人向け図書類だが、これらが視聴者・読者の心身に対して悪影響を与えたかについての客観的な研究・論文を用いて議論したことがあるかについては、日本ではほとんどないのではないだろうか。( 海外の記事でポルノを見たことがない20代の男性を探した結果見つからなかったというものがあり、悪影響も見当たらなかったというものがある→http://gigazine.net/news/20091203_all_men_watch_porn/ )成人向け図書類は多くの人に読まれている現状があるが、それが社会的や人に悪影響を与えた事実があるかといえば、それは報道でも聞かないし、ネットにある統計と時代を進むにつれて普及した成人向け図書類との関係を見れば少なくとも相関関係はないと言える。統計サイトは「性犯罪 統計」で検索できる。強姦認知件数のピークは1960年代で6000~7000件であるが、アダルトビデオが普及した1980年代以降は3000件未満である。


「わいせつ」とされる成人向け図書類等の社会・人に対しての悪影響が、客観的根拠も統計的にもほとんどないというのが私の結論である。
悪影響があるとすれば、性に対して臆病なあまりに性教育が遅れたため、性に対する正しい知識を学習する機会を子どもたちに(加えて大人達にも)与えていないことの方が大きな問題である。その影響で、早く性行為をした方がいいという誤った情報を得たり、援助交際でお金が儲かるといった良くない情報を得たり、誤った避妊方法などの情報をポルノ記事等から得るなど、間接被害を受けているように感じられる。これは、性教育に関して『子どもに学習の機会を与える権利』を大人が奪っているのではないかと考えている。これは、子どもの権利条約の第28・29条に違反するのではないだろうか。( 児童の権利に関する条約→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html

さらに幅広く考えれば、アメリカ同時多発テロ・東日本大震災などのショッキングな映像への対処や、暴力シーンのあるメディアへの対処を教えるメディアリテラシー教育も含めた、社会生活教科の中で学習すべきものだろう。その意味では、「保健体育」の体育から性教育を切り離し、社会生活一般を学ぶ教科を設けて、「交通安全訓練」「薬物排除啓発」「生活(料理・掃除・洗濯等)」の中に性教育・メディアリテラシー教育を含めるべきと考える。


成人向け図書類等は、個人的には第二次性徴期の到来と同時に、特に男性に必要とされるものだと考えている。なぜならば、第二次性徴期を迎えると同時に、生理的に精子を体外に出す行為である自慰行為をすることが多い。その際に「おかず」となるものを求めるのがほとんどではないだろうか。また、女性も「おかず」を求める事は珍しくない。

私が聞く限りでは、男性はAV・成人向け写真やコミック・画像といったビジュアル系を好み、女性は官能小説などのシチュエーションに対する妄想(?)を好む傾向にあるように感じている。違うかもしれないが。
「おかず」なしで、自慰行為を済ませられる人はいるだろうか。男性の場合は特に大変なことだと思う。



つまり、成人向け図書類等は人間の生理現象に対処するために必要な「実用書」ではないかというのが私の考えだ。生理的にホルモンバランスの関係から、性欲のある若者が必要とする表現物の一つであり、作成・閲覧する『権利のあるものではないだろうか。性ホルモンバランスの関係で性欲が衰えてきた年齢の高い層にはなかなか理解ができないかもしれない。
芸術性云々なんて、人それぞれの主観でしかない。それに、春画などの成人向けの図書類は昔から存在している。( 春画→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A5%E7%94%BB
人間の生理現象に関わることを考えれば、成人向け図書類は芸術性云々で議論される以前に、人間が生きていく中で人によって必要となる『性』に関わるツールであり、必要である以上、販売・閲覧する『権利』があるのではないか。

成人向け図書類を、嫌がるのに見せるのは強要罪に相当すると思う。しかし、自分が望み、好んで見ている場合は、誰も傷つけていないし、基本的に自分自身への悪影響もほとんどない。
以上の理由から、わいせつ物を刑法で規制する必要はないと考えるため、刑法第175条の存在意義そのものが疑わしいのが私の考えだ。
法的に規制するのであれば、推奨年齢表記の徹底と啓発だろう。


追伸
さらには大人向けの玩具も昔から研究され作られてきたことを考えれば、エロい物に対する探究心の歴史は深いことがわかる(ネットでよく出るのは江戸時代のものがあり、実際にはそれ以前からあると考えるのが自然である)( 張形→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B5%E5%BD%A2
そのような玩具が作られるくらいだから、エロい本が作られ続けるのは、人として自然なことだろう。

2013年4月18日木曜日

(宗教のような)子ども信仰と児童ポルノ禁止法

児童ポルノ禁止法で、マンガ・アニメ・ゲームも禁止すべきと思っている人は、『子ども』を『神様』として扱っているのではないだろうか。
児童買春・児童ポルノ禁止法の目的は、第一条に書かれてあるとおり、児童への性的虐待・性的搾取をなくすこと。
ところが、規制を推進する側は「権利侵害があるから」というより『子ども(神様)を侮辱する行為は許すな』という『信仰心みたいな心理』で動いているようにしか見えない。それは、妄信だったり、利用していたり。
この子どもに対する信仰心みたいな心理を考えてると、スウェーデンから来日してくださった、シモン・ルンドストローム氏の講演を思い出す。 http://togetter.com/li/355157
この『信仰心みたいな心理』は、思想の一つであり、それを法律で定めて国民全員に押しつけるというのは、憲法19条で保障された『思想および良心の自由』を侵す行為にあたらないだろうか。
また、子どもを神様のように扱うというのは、それ自体が歪んだ考えのように思う。子どもは未完成な存在だろうが、18歳まで親権者の手で保護されようとも、一人の人間として扱われなければならないと考える。
子どもにたくさんの愛情を注ぎ、触れあうことはいいことだ。でも、子どもを権威的な存在とすることが、果たして正しいのだろうか。