2012年5月22日火曜日

性に関する表現・創作物の悪影響についての私の回答

主に規制の根拠として、性に関する表現について懸念されているものについてのまとめです。
ですます調に直すとかしてないので、その点は時間があったら改善します。(たぶん、放っていると思う)


性犯罪の元となる=性暴力犯罪は、歪んだ暴力欲求が根底であって性はあくまで手段。その歪んだ暴力欲求をなくさない限り性犯罪はなくならない。性表現・性情報・性欲だけでは性犯罪を説明仕切れない。(特に痴漢・盗撮)(続く)
(続き)歪んだ暴力欲求は、過激な性表現が原因ではない。原因のひとつとして、過干渉の家庭で失敗に対する体制のない子どもの逃避手段として性的ファンタジーを実行することがある。他にも原因として、性教育による性暴力防止の啓発活動の不足もある。(続く)
(続き)性犯罪者とはどんな人かは、このサイト( 性暴力の加害者の特徴 http://anond.hatelabo.jp/20090417170833 )や、藤岡淳子著の『性暴力の理解と治療教育』を参照していただきたい。これらの性暴力の情報は、海外の文献を参照に著者自身も性犯罪者と接した上で書かれた物です。

援助交際などの性非行に走る=性教育できちんと売春の危険性などの啓発活動を怠っているためであり、そのために雑誌記事の体験談等を実際に行動してしまう

見ると過去の性被害を思い出してしまう=PTSDの可能性がある。子どもを作る際に障害となるかもしれないので、治療すべき。

子どもがショックを受ける=保護者がショックを受けて、それが子どもに伝わっている。保護者が冷静になり、子どもが見ても「大人になるまで真似してはいけないよ」とさとす位の余裕を持つべき。

子どもが真似をする=「フィクション・創作物・雑誌記事等を何も考えず真似をしてはいけない」「相手を傷つけることはしてはいけない」という基本的なことを子どもに教えるべき。それは、親のしつけや性・道徳教育の啓発活動に組み入れるべきもの。

性情報は悪影響があると裁判に判例がある=判例( http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/34-3.html )の補足意見をきちんと読んでください。科学的に証明されているとは言えず、「蓋然性」という言葉を使っています。
性情報は悪影響があると専門家が言っている=権威バイアスにかかっていて、自分で考えていません。きちんと論文等を調べ、実際の悪影響の例・性犯罪に関するニュース等と照らし合わせ、論理的に間違いがないか検証してください。
とにかく、害悪=思い込み・決めつけで、反論に理由がない。

2012年5月5日土曜日

児童ポルノ禁止法・青少年健全育成条例の「目的」と、健全育成のありかた

まず、目的から。

『児童買春・児童ポルノ禁止法』の第一条にある「目的」を自分なりに要約すると、『児童への性暴力・虐待を防止し、被害児童を保護するのが目的』と解するのが妥当と思う。 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html
この目的を読む限り、あくまで児童への実被害防止が目的で、道徳的観点から小説・マンガ・アニメ・ゲームなどの創作物を規制するようなことは書かれていない。目的の内容はICPOの「児童虐待製造物(CAM)」の定義に合致する。

青少年の健全な育成に関する条例の目的の要約 東京都『青少年の健全な育成を図ること』(http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012150001.html) 島根県『心身ともに健やかな青少年を育成すること』(http://www.pref.shimane.lg.jp/life/child/seishou/ikusei/jyourei221224.html)




青少年の健全な育成のあり方とは

どのようにすれば、子どもが健やかに育つか、その根本を調べた上で、この条例が作られたか疑問。子どもの犯罪が起きるたびに、目先で「規制しましたよ」とアピールした位にしか見えない。
子どもの健全な育成とは、当事者である子どもが心身とも健康であり、「大人になって自立できるように育つ」ことが健全だろう。
大人になっても自立できない子どもを育てる事は健全とは言わない。それは過干渉だ。大局的に考えず、当事者の思考能力を奪って守っても、子どもは自立していかず精神的に大人になれない。大人になってから困ることを実施することは不健全ではないか。
子どもの性に関して健全な育成を考えた場合、現在の性教育は必ずしも子どもの性に対する疑問・不安を解消させ、正しい性との接し方を教えているとは言えない状況にある。これは、学習面において不健全ではないか。
子どもが初潮・精通を迎える前に、必ずしも性教育を教えていない現状では、自分の身体的成長で誰にも言えない状況が発生して不安に思う子どもが少なくない。これは不健全ではないか。
逆に、小学校高学年・中学生以降の児童が成年向けのメディア(AV・成年向け写真・コミック・ゲーム等)に子どもは触れていないかと言えば、(特に男子は)触れている子どもが多いと私が知る限り感じている。
しかし、成年向けメディアに触れた子どもが必ずしも不健全に育ったかといえば、そのようなことはほとんど聞かない。実際にそのような科学的研究結果も見られない。(それが、岐阜県青少年保護条例の判決内容でも「蓋然性」という言葉から明らかである)

性暴力の加害者の特徴 → http://anond.hatelabo.jp/20090417170833

※このページに書かれてあるもののうち、内閣府の調査の引用を除いて、藤岡淳子著『性暴力の理解と治療教育』の「第1章 性暴力の理解」に書かれてあるのを確認してます。

性加害者の傾向は研究されていて、子どものうちは「親の言うことを聞くよい子」だったり、過保護(過干渉)に育てられたり、失敗を経験しなかった子どもが、逃避として性的ファンタジーを行動にして性犯罪を起こしていくタイプが多いと言われている。
性犯罪者の半数が、子どもの頃から性犯罪を開始しているとの報告がある。また、性暴力を振るう人には認知の歪みがあると言われる。
この性的ファンタジーを行動しないようにするストッパーがないのかと言えば、学校・家庭の指導もあるだろうが、その役割のひとつとして性教育による啓発活動が必要だろう。逆に性教育の啓発活動がないために性暴力が防げてない面があるのではないか。
性暴力は、性欲だけが原因で起きるわけでなく、支配欲などの攻撃欲求が絡み、弱者へ向けられたものであるとの報告がある。痴漢・強制わいせつのプロセスを考えると、この考えが自然で論理的である。
以上から、性メディアが性的に悪影響があるかについて言えば、性加害者の傾向の研究結果を見れば、「悪影響とまで言えない」と言えるのではないか。
また、暴力を振るう加害者についても、暴力表現が原因ではなく、家庭環境の問題などが原因ではないだろうか。

性加害者の傾向から、子どもへの過干渉な子育て等の問題、性教育で性情報を安易に真似してはいけない等の啓発活動をしないことは、青少年の健全な育成を考える上で不健全と考える。条例は、これらの解決にむけた内容にすべきではないだろうか。

もっとも、大阪みたいな家庭に過剰に介入するような条例には反対だが。

あと、子ども自身が性メディアに興味を持たないのに見せつけることは健全だとは思わない。ただ、性メディアをスルーする能力を子どもが身につけることは必要かなと思う。




もっと、性暴力被害者保護に力を入れて欲しい

私の彼女についてだが、性的被害に遭ったことを大人になっても認識できず、私と話をして私から指摘されて初めてそれが性被害に遭ったということを認識した。つまり、性暴力に遭ったことさえ理解できないため通報せず、結果的に暗数化することがあるということ。
性暴力に遭ったことを自覚できないということは、後になってから性暴力に遭ったことを自覚して、心的外傷ストレス障害・うつ病・解離性同一性障害等を発症しかねない爆弾を子どものうちに抱えるということだ。
本当なら、真っ先に性教育で被害に遭ったことを自覚できるようにすべきだと思うが、性被害に遭った後のサポート体制について、日本は弱いのが現状ではないだろうか。性被害に遭った時のサポート体制を充実させた上で、性教育で性被害について教えることが大切だと思う。
児童買春・児童ポルノ禁止法の目的は、児童への性的暴力・虐待をなくし被害児童を保護するものである。目的に沿って、性暴力被害に遭った児童(できれば全年齢)に対して、積極的に性被害者保護を推進することが政策として必要ではないか。
性加害者の研究の観点からも、生理的な観点からも、子どもへの性暴力(実際は性暴力全般)に対して、他の情報と比べて悪影響があると言えない性・暴力描写の創作物を規制するより、性被害者保護を明確に法制化することの方がもっと大切ではないか。