2012年4月20日金曜日

性犯罪被害の話、他(2012-4-20)

性犯罪被害に遭った話

彼女から、車で自宅に送迎の最中に、性犯罪被害に遭った事について、いろいろ聞けた。
小学校低学年の頃、知らないおじさんが小学生の彼女の手をとって、おじさんの股間を触らされたということがあったらしい。しかし、当時その行為を理解できなかったとのこと。たぶん性犯罪として通報してないだろう。
加害者が被害者の手を掴んで性器を触らせる等の性暴力を理解できなかったが故に、通報しないで暗数になったケースが結構あるのではないだろうか。(小学生低学年だから15年くらい前の1990年代後半かな)
同じく小学校低学年の頃、知らないおじさんに追い回されたこと。そのおじさんが、しばらく自宅の周りをうろついていたということ。
高校生の頃、雨の日にバスに間に合わないでずぶ濡れになった時、知らない男性が車の中から声をかけて来て、その車に乗ったらタオルを渡され「きれいだから」と言って拭いたが変な匂いがした。今思えば、あれは精液のかかったタオルだったみたい。(僕と出会って初めて被害に遭ったのを理解)
ある仕事関係の人から、何回もエロい写真を撮影されたこと。しかも、胸など体を触られた。彼女は気が弱い上に当時は新人で、取引先の人なので性暴力のターゲットとして狙われたかも。彼女の妹弟とも会っているが、妹からは「あの人怖い」と言われ、弟も「嫌い」と言っていた。
最近だと、平日の昼間に駐車場でスーツ姿の男性から声をかけられて、いきなり彼女の車の扉を開けて「デートしよう」と言われたこと。最後には訳がわからないけど告白されたという。聞く限り、行動が明らかにセックス(強制わいせつか強姦)目的。
いずれも、おそらく本人も保護者・教師も通報していないだろう。身近で性犯罪被害者数の統計の暗数になっている性暴力被害者がいたわ。
ちなみに、彼女は気が弱いタイプ。今日も、某所に一人で行けなかったので同伴した。部屋に入る前に躊躇したので、手を引っ張って一緒に入ったら、自分も巻き込まれてヘトヘトに…(´Д`;) 「後押ししてくれてありがとう」と後で感謝されたので虐待行為じゃないということで…
主観でしかないけど彼女は、小中高の学生時代は大人より心身とも弱い立場であること、社会人になっても素朴で気弱に見られていたことから、彼女が弱者をターゲットにする性暴力者のターゲットにされやすかったのかなと思った。

あと彼女に妹がいるけど、妹は彼女より気が強くて、ナンパ以外特に性的なことで嫌な思いをしたことは、ほとんど聞いたことがないと言っていた。
まだまだ性加害者の傾向を調べる必要があると思うけど、性暴力被害者である彼女の話を聞く限りは”性加害者は弱いものをターゲットに狩りをするイメージだなぁ”という印象を持った。





性欲と性的興奮について

あと、エッチな本についても話が出たな。小学校低学年の頃、エッチな本を見たことがあって、大人の本は大抵難しくて興味がなかったけど、エッチな本は興味を持って見ていたとのこと。ただし、エッチな本を見ても興奮してエッチな気分にはならなかった、理解もできなかったとのこと。
高校生の頃、官能小説を貸してもらって読んだ後、エッチな気分になった。それまではムラムラすることはなかったとのこと。小学生から高校生の間の第二次性徴期に性メディアを見たときの反応が変わったか、高校生まで自身が興奮するものを見ていなかったか。
最近は、本を読まなくても性欲でムラムラすることはあるとのこと。これから20代後半になるので、もっと性欲が強くなるだろうな。

2012年4月18日水曜日

メディア規制について(2012-04-18)

Twitter上での発言をここにも記載。


忘れないように、メモ的に復習。耳タコだと思うけど(汗)。

児童ポルノ法・青少年健全育成条例(法)でのメディア規制強化は、『子どもに有害な”はず”』という「保護者・大人の安心」「団体・行政側のエゴ」のためであり、多数の被害者の実害報告・学術・科学的視点がない以上「子どもの安全のため」ではないと考えるのが妥当。

性教育の視点・性暴力はどのような心理で行われるのか(攻撃、支配、優越等の欲求を性という手段で満足させる暴力、DVみたいな暴力のサイクル)などの学術・科学的研究で議論すべきだと思う。責任転嫁らしきものを除くと、性メディアの直接の性被害者は聞いたことがない。

子どもの性非行は性教育の問題や家庭などの子どもの周囲の環境の問題だったりするし、大人が子どもへ性暴力をする問題は性に関する認知の歪みの問題や家庭内・カップルDVの性暴力が子どもに向いたもの等の問題のはず。

性メディアの規制ばかり考えないで、もっと女性センターや児童相談所と連携して児童への暴力を防止する対策をしたり、援助交際等の性非行を防止するための教育・啓発活動をしてほしい。

2012年4月13日金曜日

創作物・メディア規制の法律は『思想弾圧法』である

近年の動きで、児童買春・児童ポルノ禁止法や青少年健全育成条例で、創作物に対する規制を強化する動きは活発である。
規制する側の言い分は「子どもを守るため」と言う。しかし、実際は「自分にとって気持ちが悪い。子どもには悪影響があると”思う”から、規制してほしい」というもので、『憶測』でしかない。あるいは特定の宗教思想を法律で広めたいという『宗教が政治に介入する』というものだったりする。行政側としても「手柄を立てればキャリアとして昇進できる、できなければ昇進できない」というものだから、方針が決まったら、是が非でも通したい。

厳しいことを言うが、近年のマンガ・アニメ・ゲームを中心とした、創作物に対する規制強化に向けた条例・法律改正の動きは『「思想弾圧法」を作ろうとしている』としか言えない。
要は、戦前の治安維持法みたいなものだ。

「表現」とは何か。それは、「頭で考えたことを形にする」ということだ。
つまり、思想と表現は、ほとんどくっついたものである。
だから、創作物という「表現」を法律で取り締まるということは、頭で考えたらいけないということに限りなく近くなる。なぜなら、それを落書きでもした時点で違法になるということだ。

法律で規制すべきものはある。
特に明確に言えるのは、他人を傷つける行為である。
児童買春・児童ポルノ禁止法は、「児童に対する買春を行うことで、心身に危害を与える」「児童ポルノ作成の際に児童に対して性的虐待行為を行う」という、明確な有害行為をなくすために法律を作って規制するものである。
では、創作物(例えば、子どもが性行為をしているようなマンガとか)を取り締まる理由は何か。誰かに危害を与えているのだろうか。
おそらく害があるとすれば、「見た人が気持ち悪くなる」というものだろう。しかし、あらゆる情報において、「見た人が気持ち悪くなる」情報はよくあるものであり、正しい対処法は『無視する』が基本で、『法律で取り締まれ』というのは子どものわがままみたいなことである。(例として良くないかもしれないが)別の荒っぽい言い方をすれば『お前の顔は気持ち悪い。法律で取り締まれ』と言っているのと同じだ。
余談だが、あらゆる情報は有害になりうる。例えば、アメリカ同時多発テロの画像だったり、東日本大震災の動画だったりする。あれを見ると、人によっては被災者みたいに”うつ”になるなど、有害になる情報はいくらでもある。

児童買春・児童ポルノ禁止法や青少年健全育成条例の創作物規制に対して「表現の自由を侵そうとしている」ということで運動してきた。
青少年健全育成条例は「流通規制であり、表現の自由を侵すものではない」と言うが、『表現の自由とは、知る権利とセット』であることから、発信したものが受け手に届かない時点で表現の自由を侵すものであると言っていい。
しかも、成人向けの図書類のうち、性・暴力表現について、明確な有害性は認められていないどころか、有害ではないという研究がいくつも見られている。
加えて、思春期に入るまでに、青少年が性に興味を持つことは通常は当たり前のことであり、むしろ性に無関心な方が心配になるのが普通ではないだろうか。ただしい対処は、性教育などでの有害とされる情報への対処方法であり、情報の遮断ではない。情報を100%遮断することは無理か、逆に有害である。
話を戻す。
表現の自由は思想の自由に大きく関わることから、「表現の自由を規制する」ということは「思想の自由を規制する」のとほぼ同じと言える。
つまり、「マンガ・アニメ・ゲーム等で表現してはいけない」というのは「考えてはいけない」というのと同じ「思想弾圧」だ。

みなさんのうちで「性について考えてはいけない」「暴力について考えてはいけない」というのを守れる人はどれだけいるだろうか。
少なくとも、”時に自分が持つ怒り””子どもを持ちたい””恋人・妻を愛したい”という感情を持つ自分は、そんな完璧な聖人みたいなことは守れない。

2012年4月9日月曜日

井ノ本リカ子先生の『30歳の保健体育』の感想

井ノ本リカ子先生の『30歳の保健体育』全2巻を読みました。ふんわりした感じの絵で、個人的に大好きな絵柄です。
松江市内のコミック専門店に置いてあったので、購入したものです。ちなみに、原作は未読です(;´Д`)

恋愛も絡めた20~30歳台の大人向けの、良い性教育マンガだと思いました。どちらかというと男性向けですが、女性が読んでもいい内容だと思います。実際の、恋愛から始まりセックスに至るまでの流れに近いなと思います。
性行為の経験がない人向けには、参考になる作品だと思います。私としてはペッティングもあるべきかなという気がしましたが、(これも本書に描いてないですが)セックスの前戯に含めていいと思います。

読んで思ったのは、内容は比較的実践的で参考になるのですが、マンガであるためか、現実と違う架空っぽい感覚がぬぐえない感じがありました。より真実味を持たせるに、話と話の間の幕間1ページ位を別途、具体的な恋愛・キス・セックス等の文章解説ページを用意するといいなと思いました。
…マンガでは現実っぽく感じず、文章の方が現実っぽく思えるのは、皮肉な感じです…

セックスについては、鳥山仁先生の「本当に正しいセックス」(三和出版)の解説がより具体的・実践的で良書だと思います。セックスの準備に必要なこと、セックスの始まりから終わりまで、一通り書いてあります。

現在の大人向けの性に関する情報となると、どうしても興味本位の雑誌記事になっちゃうので、できればこのようなセックスに関する正しい知識が得られるような作品が増えるといいように思います。

できたら、恋愛から性教育までの正しい情報を提供する大人向けのメディアの普及を行政が推進してくれると、少子化対策にも多少貢献できていいと思うのですが、そんな虫のいい話はできないですよねー。


コミック

30歳の保健体育(1) (IDコミックス REXコミックス)(Amazon)
30歳の保健体育 (2) (IDコミックス REXコミックス)(Amazon)


参考書籍

本当に正しいセックス (SANWA MOOK)(Amazon)